「鬼滅」の略称で親しまれている「鬼滅の刃」。
吾峠呼世晴さんにより、「週刊少年ジャンプ」で2016年11号から2020年24号まで連載されました。
2019年にはアニメスタジオ「ufotable」によりテレビアニメが開始され、社会現象となるまでの大ヒットとなりましたね。
今や鬼滅の刃を取り巻く経済効果に「キメツノミクス」と呼び名が付けられているほどです。
2020年10月には映画「鬼滅の刃 無限列車編」が公開され、なんと公開から10日で観客動員数は798万人、興行収入は107億5423万円に上り、歴代最速記録を叩き出しました。
今回の記事では、鬼滅の刃のヒットの裏側にある理由を調査していきたいと思います!
「鬼滅の刃」ヒットのきっかけ

鬼滅の刃の連載開始は2016年でしたが、大幅にその名を世間に轟かせたのは2019年頃です。
「鬼滅の刃」検索件数の推移を見ても、アニメ化をきっかけに増加しています。
アニメ化当時、「神作画」と呼ばれるほどのアニメーション技術が評価されており、特に本作の要となるアクションシーンにおいての評判がかなり良かったのが印象的です。
様々な流派の呼吸の元、繰り出される剣術とその演出において、多くの視聴者が惹き込まれました。
アニメ中のカメラアングルなど、登場人物の心情に迫るような演出が多く、残酷な描写の多い鬼滅の刃だからこそ感情移入もしやすいのかと思います。
「鬼滅の刃」ってどんなストーリー?
やはり漫画やアニメ作品においてヒットの鍵となるのはストーリーですね。
「鬼滅の刃」は、大正時代を舞台に主人公「竈門炭治郎」が鬼になってしまった妹を元に戻す方法を探して戦う物語。
鬼と人間が繰り広げる死闘の中には「首が切り落とされたり」などといった、かなり過激な描写が多くあります。
全ての鬼の始祖である「鬼舞辻無惨」。彼は自身の血を他人に分け与えることで人食いの鬼を作り出します。

そして、その力で炭治郎の留守中に妹は鬼に、他の家族は惨殺されてしまいます。
突然奪われた平穏な日々。なす術もなく迷う炭治郎の前に、妹を殺そうとする鬼殺隊の柱である「冨岡義勇」が現れます。
そして炭治郎は鬼になった妹を人間に戻す方法を探すため、鬼殺隊となる事を決めます。
出会いと別れを繰り返し、強くなっていった炭治郎は徐々に鬼舞辻無惨へ迫ってゆくのです。
そしてそのストーリーの中で、視聴者や読者を惹き付ける魅力があると思う部分。それは登場人物のバックグラウンドの描写が細かい事です。

鬼滅の刃の作品の中で、登場人物たちは必死に生きています。それはたった一度しか出てこない、主人公に倒される鬼も同じこと。
作品を見進めていくと鬼もまた、不遇な人生を歩んで鬼になっているのです。そしてそれが丁寧に描かれています。
人間の相対する存在である鬼にも気持ちが入ってしまう、鬼の全てが悪いと思えない、そんな作品なのです。
全ての登場人物の人生を大事に表現されている作品であるから故に、人の心を動かす魅力があるのだと思います。
個人的には、「鬼舞辻無惨」という絶対悪があるからこそ、鬼もまた不遇な人生を歩む登場人物になりえるのかと思います。
無惨様本当に怖いです。笑
「鬼滅の刃」はなぜ流行った?大ヒットの理由とは?
子供から大人までの世代に大きくヒットしている「鬼滅の刃」ですが、登場人物が丁寧に描かれていることに加えて、設定の多さというのもヒットの理由ではないかと思います。
大正時代という舞台設定に、日本古来から伝わる和柄をキャラのイメージとして使用する。そして特に技名「水の呼吸 壱ノ型 水面斬り」なんて、もう子供ウケ必至の技名ですよね!
近くの公園にも「全集中!」「水の呼吸!」と遊ぶ子供たちの声が聞こえます。

パターン化されて覚えやすい技名と、「下弦の壱」「上弦の壱」など鬼の強さによって分けられるランク、鬼殺隊も同様に「甲」「乙」などの序列や強者の呼称「柱」などがあり、「水」「炎」「花」「風」といった呼吸の多種多様な流派。
設定の多さというのは「覚えられない」という理由でネックになりやすいですが、「鬼滅の刃」の設定は、数こそ多いもののカテゴライズが明確で、造語や横文字が少ないことから覚えやすいのではないかと思います。
そして何より個性的なキャラ!
桜餅を食べすぎて髪色が変化してしまったキャラや、眠って技を出すキャラ。猪の被り物をしているキャラなど、突っ込みどころの満載なキャラがたくさんいます。
これは「推し」が作りやすい。
ちなみに私は、不遇な扱いをされがちな水柱、冨岡義勇が推しです。笑
そしてその中でも、主人公の「竈門炭治郎」。
彼はほかの登場人物に比べて個性という個性はありません。
普通の家族の元に生まれて、普通に生きてきた家族思いの少年です。

頭が外も中も固く、馬鹿みたいに真面目で、とてもまっすぐで、鬼にすら思いやりを持ってしまうような優しい心を持っていますが、突然才能が芽生えてしまったり、特殊な特徴があるような主人公ではありません。
本当に、友達にいてもおかしくないような普通の子なのです。
そんな子が突然、家族を惨殺され、妹を鬼にされ、修羅の道を歩むことになり、出会いと別れを繰り返して強くなっていくのです。

純粋でまっすぐな「普通の子」だからこそ、多くの読者の心を惹き付けます。仲間の死に涙を流し成長していく姿なんて特に、涙なくしては見ることが出来ません。
そして他のジャンプ作品にはあまりない、仲間が続々と死んでしまうという点もかなり大きいと思います。
かなり密な関わりを経て、他の作品では死なないようなキャラが命を落とします。

命のやりとりをする「鬼滅の刃」という作品において、死闘の末にも「どうせ主人公陣営が勝つんだろ~」なんていうメタい予想や安心は通用しません。
鬼も生きるか死ぬかの戦い。主人公陣営も負けます。鬼も含め、登場人物の死の描写がかなり重く、そして多いです。
読んでいて命というものを惜しむシーンが多く、鬼殺隊も鬼も別種の覚悟や思いを抱いていることがビシビシ伝わってくるんです。
「鬼滅の刃」主題歌も大ヒット!
主題歌を担当されているのは、「ロックヒロイン」こと「LiSA」さん。

オープニングに「紅蓮華」、エンディングも「from the edge」をフィーチャリングとして歌唱されています。
「紅蓮華」は、LiSAさんの15枚目のシングルとして2019年7月に発売されました。4月にはフルサイズが先行配信されており、既に当時大きな話題になっていました。
2019年10月にはNewtype×マチ★アソビ アニメアワード2018 – 2019主題歌賞を受賞し、2019年の「NHK紅白歌合戦」でアニメ映像をバックに歌い上げたのは記憶に残っている方も多いのではないでしょうか。
LiSAさんの澄んでいて力強い歌声と、キャッチーでロックな曲がマッチしていて、社会現象のような大ヒットを打ち出しました。
どこに行っても流れていましたよね。歌い手や著名人も多くカバーしていて、目に見えての大ヒットでした。
「鬼滅の刃」大ヒットの理由まとめ
- 登場人物の描写が丁寧
- アニメの作画が神
- 個性的なキャラと設定が盛りだくさん!
これからも、さらに話題になりそうですね!